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2008月04月 アーカイブ

時々書道をしている。
今年はてん書を元に濃墨で「海」と「島」の文字を描いた。
畳一畳ほどの紙にバケツに入れた墨で描く。
描くだけでも丸一日の作業だ。
20cmもある馬毛の筆(墨を含むととても重い)で、白と黒のコントラストだけで表現する。
1本のラインの中にも、強さや弱さ、迷いがあり、なかなか思うようにはいかない。
それは、何か大自然の中にふと身を置いたような不自由な感じ。例えば少し波のある海中のような。
いつももっと心揺さぶる強いものを描きたいと思う。
そこに必要なのはこれまでの訓練と心の強さ。
小手先の器用さなどはほとんど関係ないのだ。
もっともっと上手になりたい。

ある日ふと、何人の人と目が合うのだろうと思い、朝から数えてみた。
家族、通勤ですれ違う人、事務所のスタッフ、取引先、ランチ、カフェなど。
私はせいぜい20人ぐらいかと想像していた。
しかし実際に数えてみると思ったよりも多くてびっくりした。その日は52人だった。
一瞬でもいいから目と目が合った人。そんなものだろうか。
試しに別の日、朝から人と会うことが多いだろう日にも数えてみた。69人。(今度は予想より少なかった)
これを広告に置き換えるとどうなのか。
例えば1つの広告物に対し、はたしてどれほどの人が目を向けてくれているだろう。
その中でさらに興味を持ってくれる人、心に留めてくれる人がどれほどいるのか?
それは昨日今日見た広告で印象に残っているものを思い出すのが一番いい。
案外何も覚えていないものだ。

一見何も関係ないことに思えるかも知れないが、実はこれらは密接に関係している。
トイレは自分一人になれるほっとする空間だろうが、用が終わると次に誰が使うか分からないが、やはりその人のことを思いやりたい。
次の人が気持ちよく使えるように、もし汚してしまったらティッシュでさっときれいにする。
トイレットペーパーをきちんと三角にする必要まではないが、要するに他人を思いやる気持ちと行動。
私はデザイナーを見る時、こういった一見関係のないような、気遣いや心配りが大切だと思っている。

あたり前のことだが、デザインは人と人とのコミュニケーションの上に成り立っている。
山に一人こもっている人や戦争中の人には関係ない話だ。
いや戦いの中にも、敵と味方を識別する旗やカラーはデザインと言える。
要は、「自分はこういう人間(企業、商品)で、こんな考え方や行動をしています。」という意志表示。
よって、デザインができる人にコミュニケーションをおろそかにする人はいない。
言うまでもなくあいさつなどはコミュニケーションの基本で、逆に言えば、あいさつもろくにできない人間に優れたデザイナーはいない。
意外と基本の基本をおろそかにして、形を作ったり色をつけたりすることばかりに注力してしまうデザイナーは多いのかもしれない。気をつけたいものだ。

用があって四国の高知に行った。
お世話になった大学の教授がこの春退官されるパーティに出席するためだ。
久しぶりの空港では今でも南国らしくやしの木が出迎えてくれる。
自慢にならないが大学時代、私は勉強そっちのけでアルバイトばかりしていた。
そのアルバイト先で知り合った友人(お世話になっている先輩方)は今でも連絡をすると快く迎えてくれる。
本当にありがたい。そして大学時代の先輩や後輩、親友や友人たち。
一泊2日で慌ただしかったが、とてもなつかしく楽しい時間を過ごした。
思えば、入試のために初めて大学のキャンパスに来たときもやはりやしの木が迎えてくれた。
ほぼ丸一日かけての木炭デッサンと平面構成。
結果はなんとかぎりぎりセーフで、私はここで大学4年間の青春時代を過ごした。
なつかし過ぎる。(長くなるので止める。)

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