デザイン盗作のニュースは、サントリーのトートバッグに続き、
太田市美術館・図書館、東山動植物園と、
あいにくおさまる気配がない。
先週の私のブログ(2020東京五輪エンブレム)では、
スタッフと協同制作しているであろう点を、万が一として指摘していた。
https://www.akiramizota.jp/2015/08/2020-1.html
くしくもその直後、トートバッグ一部デザインの盗作疑惑がニュースになり、
翌日、佐野氏の謝罪のコメントがHP上で公開された。
トートバッグに関して、最初人から聞いた時は、限りなく黒に近いだろうと直感した。
パンの形やキズは、そうそう一致することはないだろうから。
後でよく見ると、もう完全に黒だ。(謝罪コメントの通り)
Beachのアイコンも、完全に黒。(アメリカのデザイナーが訴訟を起こしたのはご存じの通り)
トートバッグ一部デザインについて佐野氏は、他のデザイナーとの協同作業だったとし、
プロとして甘かったとのことだが、デザインのチェック機能は、アートディレクター(美術監督)の役割だ。
そう言えば実は昔、弊社が提案したロゴマークが他のロゴマークに似ていると、提案後に指摘を受けたことがある。
もちろんそれを見たことはなかったが、指摘されたデザインは言われてみると確かに似ていた。
その時はすぐに再考し、別のデザインを提案させてもらった。
2020年東京五輪のエンブレムは、残念ながらそう簡単に「デザインし直します」なんて言える規模ではない。
規模も、関わる人も、世間の期待も大きい。
仮にこの先、もっともっと大問題になってしまった場合には、
(メディアもそれをあおっている感がある。そうならないことを願っている)
このエンブレムデザインを使用するのか、却下するのかどちらかだろう。
しかし、トートバッグの件が明るみになったことで、
2020年東京五輪のエンブレムも、少しグレーになってしまった。
一連の報道は、同業者としてとても残念だが
インハウスのデザイナーのプロ意識やモラルも含めて、
デザイナーの真価が問われている。
…などと言いつつ、私は批評家でも裁判官でもない。
そろそろ目の前の仕事に戻ろう。
あ、それからマスコミ関係の皆さま、ご連絡いただくのはいいのですが、
「先生」と呼ぶのは止めてください〜!あまりうれしくないので。