デザイン事務所 ブランディング・ロゴマーク制作会社 デザインエイエム

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2008月08月 アーカイブ

ツクツクボウシが鳴き始めた。
その声を聞くと夏の終わりを感じる。
ガキの頃、「セミの研究」と題して夏休みの宿題をあわてて終えたことを思い出す。
アブラゼミ、クマゼミ、ツクツクボウシ。
画用紙いっぱいに、羽の模様1本1本も精密に描いて。
夏はとても短い。(セミの一生も)
短いからこそ、大好きなのかも知れない。

デザインにはリズム感が大切だ。
リズム感のないオンチくんには少々適さないかも、と思うほど。
例えば、紙面を構成する文字組。これにもリズム感が大切で、美しい文字組(テキスト)を見ていると、リズムが聞こえてくる。
それは時に軽快なリズムであったり、肌に伝わってくるような重低音だったり。
読みやすい文字組はリズム感にも優れている。反対に随分読みにくいな、気持ち悪いな、と思うものははやり音の統一もなく、メチャクチャだ。
テキストを読むのではなく、リズムとして感じる。
たぶん誰にでもできることだと思う。
好きな雑誌などを開いて試してみてはいかがだろう。

独立から11年目に入ったので、これまでのことを少し。
私にとって20代の10年間はまさに修行の10年だった。
大企業よりも小さな会社を自ら志願し、事務所の掃除や整理整頓、電話番やお茶くみ、お金の勘定など何でも自分でやりたかったのだ。
デザイナーとしては質より量の毎日だった。とにかく忙しかったのだ。
誰にも負けない位徹夜もした。時には苦しい仕事や状況もあったけどすべてが糧だと思った。がむしゃらだった。
30代の10年。私は就職時からの目標だった独立をし自宅の一室から始めた。
1年半後 designámをつくった。
体力には自信があったが半ば身体を壊した。
休みなしで徹夜も繰り返し、ピンと張り詰めた緊張状態のまま朝一のプレゼンに走ることもあった。(それなりに楽しくやりがいもあってそのことが一層拍車をかけた)
そんな中のある夜明け前、とうとう身体が悲鳴をあげ自ら救急車を呼んだ。
過労だった。バランスをとる仕事なのに自ら身体と心のバランスを崩していた。
自律神経もやられ自分には全く価値がないとも思い苦しみもがいた。
その時もスタッフに助けられた。それ以来土日は働かない、徹夜はしないと決めた。
すべてが未経験。今は少しずつだが事務所としてのルールも整い始めているだろうか。
さていよいよ次の10年。
もっと密度を濃く、もっともっと質を高めたい。楽しみながら。
何か1つでもこれをやったというものを残したい。伝わる何か、心に残る何か。大げさに言うと生きた証。
私にとって次の10年はすでにスタートしている。

スタッフの一人が無事赤ちゃんを出産した。(今彼女は休職中)
早々に病院から、元気そうな赤ちゃんの写真を送ってくれた。
一方別のスタッフの一人は、しばらく付き合っていた彼女との結婚を決めたらしい。
(式は10月。久々にスピーチも頼まれた)
結婚も出産も、家族が増えるという、とてもとてもおめでたいこと。
彼らは一層人生の張り合いや責任を覚えるのだろう。
ほんの少しだけ人生の先輩として、そんな支えになってくれているスタッフを心から応援していきたいと思う。

8月1日は事務所の設立記念日だ。
記念日と言っても何をする訳ではないが、個人的には数年前の今日のことを思い出す。
今思えば行政書士さんにお願いすれば事はスムーズだったのに、何でもやってみたい自分は、
書類作成から商号調査、登記申請まで(ダメ出しされながら)全部自分で手続きをしたのだった。
ようやく手続きが終わった時「会社を産み落とした!」気分だった。
今思えばよくやったものだなと我ながら思う。
しかしこんなに暑かったっけ?

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