デザイン事務所 ブランディング・ロゴマーク制作会社 デザインエイエム

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2015月12月 アーカイブ

未だ騒がしい東京五輪エンブレム問題。
審査の一部で不正があったことには正直がっかりだ。
まじめにアイディアを提出した(させられた)多くのデザイナーたちや
デザインそのものを欺く行為。
いい大人がそんなことをやっていたら、日本も広告もデザイン業界も
そのうちすぐに腐るね。
さて、応募総数14,599点は、12/22時点で64作品に絞り込まれたそう。
あとは年明け1/7, 8, 9の3日間で、採用候補作品として数点に選考する予定とのこと。
不正がないのであれば(あってはならないが)それはとても楽しみです。
以前のエンブレム委員会からのメール(エンブレム応募の御礼)の一部に、
下記コメントがありました。
———–
多くの方に愛され、世界に誇れるエンブレムにするために。
みんなでつくるエンブレム。
みんなでつくるオリンピック・パラリンピックを実現するために。
エンブレム委員会一同、誠心誠意、選考を進めてまいります。
———–
なんだか、ロゴをつくることが目的になっているみたいで
少し「ん?」と思いました。
ロゴマークやエンブレムは、決してつくることが目的ではありません。
あくまで手段です。
そもそもは、何のためのエンブレムか?
それは、大会を盛り上げるための「旗印」です。
56年ぶりに東京で開催される世界のお祭りを盛り上げるため、
東京やひいては日本のプレゼンテーション、
俺たち日本人の心意気はこんなんだぜ!という意志表示です。
決して、格好いいとか美しいとかデザイン的に優れているとか
表面上だけにとらわれてもいけない。
それは会社のロゴマークも同じことです。
5年後のイベントはこんなになるらしいよ、楽しみだね、ワクワクするね!
思わずみんなに自慢したくなるような、そんな旗印。
審査は大変だと思います。
ただ評価の軸が明確なら、 迷うことは一切ないのだろうと思います。
透明で公平で明確で、多くの人が納得できるいい結果になることを祈っています。

週末に、エンブレムデザイン案を提出しました。
今回、組織委員会が提示しているテーマは数多く、
すべてをクリアするのは難しいのですが、
私なりの解答を出したつもりです。
1964年の東京五輪オリンピックについても
あらためて亀倉雄策氏のデザインやその思想にできるだけ触れたいと、
本も何冊か新しく購入したり読み返したりもしました。
今回は1人1点限りの提出が条件ですから
(普段の仕事では複数案提案しますが)
しばらく頭の中で複数案を並べてフィルターにかけ、1案に絞りました。
具体的な形や色に置き変える作業は最後の最後。
その上で、
そのデザインは本当に正しいのか?強い表現なのか?
伝わるものなのか?
日本のためになるのか?世界のためになるのか?
良き日本のプレゼンテーションになるのか?
20年先も色あせないものか?
誤解を与えないか?誰かを傷つけないか?
世界のお祭りとしてワクワクできるか?
旗印になり得るか?
そして最後に、
胸を張って提出できるデザインか?
そんな視点で吟味していきました。
具体的には、0.1ミリ単位で、位置や大きさ、バランスを調整しています。
デザイナーの主張よりも客観的にどう見えるかの方が重要なのです。
締め切りにはまだ数日ありますが(締め切りは12/7正午)
やはり1万点ぐらいの応募が集まりそうか。
そんな大量の出品作を絞り込むのは、審査委員も大変だと思います。
ただ、ぜひとも厳正でオープンな審査を期待しています。

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