独立から11年目に入ったので、これまでのことを少し。
私にとって20代の10年間はまさに修行の10年だった。
大企業よりも小さな会社を自ら志願し、事務所の掃除や整理整頓、電話番やお茶くみ、お金の勘定など何でも自分でやりたかったのだ。
デザイナーとしては質より量の毎日だった。とにかく忙しかったのだ。
誰にも負けない位徹夜もした。時には苦しい仕事や状況もあったけどすべてが糧だと思った。がむしゃらだった。
30代の10年。私は就職時からの目標だった独立をし自宅の一室から始めた。
1年半後 designámをつくった。
体力には自信があったが半ば身体を壊した。
休みなしで徹夜も繰り返し、ピンと張り詰めた緊張状態のまま朝一のプレゼンに走ることもあった。(それなりに楽しくやりがいもあってそのことが一層拍車をかけた)
そんな中のある夜明け前、とうとう身体が悲鳴をあげ自ら救急車を呼んだ。
過労だった。バランスをとる仕事なのに自ら身体と心のバランスを崩していた。
自律神経もやられ自分には全く価値がないとも思い苦しみもがいた。
その時もスタッフに助けられた。それ以来土日は働かない、徹夜はしないと決めた。
すべてが未経験。今は少しずつだが事務所としてのルールも整い始めているだろうか。
さていよいよ次の10年。
もっと密度を濃く、もっともっと質を高めたい。楽しみながら。
何か1つでもこれをやったというものを残したい。伝わる何か、心に残る何か。大げさに言うと生きた証。
私にとって次の10年はすでにスタートしている。